ひざまくらの後は?
「……わかりました。話してみますね」


その言葉を最後に通話を終えた天音がソファーに戻ってきた。


普段なら飛びかかる勢いで隣に座ってくるけど、今は俺の足の前に少し隙間を開けて立ち止まっている。


「智くん、お待たせしました!お腹空きませんかぁ?お買い物行って夜ご飯にしましょう~」


にっこりと人懐っこい笑みを浮かべて、俺を見下ろす。


どうやら電話の内容を話す気はないらしい。

別に聞き出したいわけじゃないけど、割りとなんでもかんでも俺に報告してくるこいつにしては、かなり珍しく思えた。




――――この日を境に天音の行動が不自然なものになった。




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