Clover



「この痣どうしたの?」


『転んだだけだから心配しないで。』



でも、マスクを返してくれない。


「本当のこと言って。」



背の高い実は、背の低い私に目線を合してくる。



昔からこれをされると嘘をつけない私は、結局本当のことを言った。



『今付き合ってる彼氏にやられたの。でも彼は悪くないから。私が全部悪いの。』



「やっぱりね。」



いかにも前から知ってましたみたいな顔の実。
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