俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「…嫌ならいいんだけどね? なにがあったの?」


あたしの隣に体育座りをして、膝にほっぺたを乗せて聞いてくる。


「……あたし…」


「ん?」


「あたし……どうしよう」


なにから言っていいか分からない。

どうしていいか分からない。


また泣いちゃいそう。


「杏子…あたしね? 先輩を傷つけちゃったのかも…」


「え?」


今日のお昼の出来事全部を杏子に話した。



「……そっか」


話し終えると、そう一言呟いたきり黙りこむ。

その場は沈黙に包まれた。



「…難しいね、あんた達」


「え…?」


やっと出てきた一言がそれだ。


「んー…まあ、当人達にしか分かんないことも多いけどね? 当人達には分かんないこともあるのよ」


「……?」


なにを…おっしゃってるんでしょう…。


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