俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
二人、秘める恋心
今日はもうどうせ帰っちゃってるだろうと思い、放課後まっすぐ家に帰ることにした。
方向は同じだって言ってたけど…分かんないし。詳細。
今日も部活の杏子が、グラウンドであたしを見つけて声をかけてきた。
「あら? 早速行かないの? 彼のとこ」
「あ……たぶんいないよ。てかお昼終わったときもう早退してると思う」
「…アンタよく分かってるのね」
まあ……実際付き合ってみると付き合いにくいけど分かりやすいから。
ものすごく扱いにくいけど分かりやすいから。行動だけは。
「う~んでも困ったね」
「なんで?」
「だって今日逃したら次会えるのは月曜日よ?」
「……」
…………。
「あ」
わ、忘れてた!!!
今日、今日…金曜日!?
「ホントに抜けてるね」
「ううっ…」
そんなぁ…。二日も会えないなんて。
土日をこんなに恨めしく思ったことは、今までただの一度もないよ。
「ハァ…」
思いっきりため息をこぼし、杏子と別れて肩を落としてとぼとぼ歩いた。