俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
本気だと分かっていて踏みにじるようなことをしている。
それは分かっている。
だから悠由に知られたくなかった。
こいつは優しいから…恐らくそんなことは望まない。
でもそれくらいのことをしても足りないと俺は思う。
同じように悠由を踏みにじった挙句、あんな怪我までさせた。
できるものなら同じ目に遭わせてやりたいくらいだ。
「はあ…っ」
顔を離すと、肩で息をしながら胸に寄りかかってくる。
ちらりと出入り口のほうを見遣ると、あの女はもういない。
あういうやつは…痛みを知るべきだ。
知らないから人を傷つけることにためらいがない。
こういう考えはきっと……悠由には受け入れられないだろうな。
「…な?」
「へ…?」
「いーや。飯食おう」
あわよくば続きもしたいところだが、さすがにそうはいかない。
下手をすれば捨てられる。
「無理れす……」
「…感じた?」
「#$%&!?」
「声になってねーし」
くくっと笑いを漏らし、真っ赤な顔で怒る悠由の頭を撫でた。