俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

――――……

「で? 結局なんなのあんた」


学校が終わって杏子の家に遊びに来ている今。

ご機嫌なあたしに杏子がそう問う。


「ん? なにがぁ」


「い、いやなんかさあ…こう、ねえ?」


杏子の家のリビングはとてもよく陽が当たって暖かく、心地がいい。


「ねえ…悠由ちゃんどーしたのおねーちゃん」


「そんなのこっちが聞きたいわよ!」


妹の紅葉(もみじ)ちゃんとのコソコソ話が耳に入り、笑顔を二人に向ける。


「なんでもないよ~♪」


「どこがぁ……」


引きまくる杏子。


なんかね、気分がいいんですよ。


「いいことあったの悠由ちゃん」


「紅葉ちゃん。…ん~…どうなんだろ?」


特にこれといって思い当たらないけどなあ。


あ、でも…。

先輩の……その……あの…あれがその…。


「……」


「あらら~? 顔真っ赤」


「! な、なんでもない!」


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