俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「ふえ……せんぱいぃ~~!」

「はっ…!?」


柄にもなく心臓が大きく跳ねた。

背中に両手を回し、飛びついてくる悠由のせいで。


「ふあぁーん…うっ……ふえ~~!」


「…どうした?」


驚きは隠せないが、とりあえず悠由の背中に左手を回し、右手で頭を撫でた。

俺らしくもない優しげな声色で聞いたりもして。


「うう~……ひっく…」


それでも、子供みたいにブンブン首を横に振り泣き続ける悠由。



…可愛いんだけど。

なにこいつ。喰ってしまいたい…。



そんな邪まな考えを無理やり打ち払い、もう一度聞く。


「どうした? 悠由…」


「うあぁーんっ! どうもしないですぅ~~!」


「…………」


いや…どこがだよ。

そんだけガキみてぇに泣きじゃくっときながらどうもしないってお前…。


「はぁ…」とため息を吐き、泣き止むまで待つことにした。


その間ずっと悠由を抱きしめていられることに、至福さえ感じる俺は…相当重症だ。


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