俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

先輩のほんのちょっとした優しさ。

笑顔の素敵さ。

触れる手の温かさ。


それらに心惹かれている自分がいる。

それは分かってる。


でも…分かってるからこそ、戸惑いが隠せない。


なぜ。

先輩の女関係を聞いて悲しかったの?


なぜ。

先輩に会えないと思うと、とても悲しかったの?


こんな悲しみ苦しみ、知らない。

あたし知らないよ。



「……」


チラ…と視線を動かした。

目に入る先輩の顔。


「っ……」


急速に鼓動が早まった。

思わず目をそらし、ドキドキいう胸を押さえた。


…お、おかしい。

ていうかもう、へんに意識しないほうがいい!


心もち熱い顔に、冷えた手を当て…必死で冷ました。


「……?」


そんなあたしを、先輩は不審そうに見るのだった。



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