俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「…なんで…」


また。

…まただ。


「……」


ズキン…。



また、あのズキズキ。


あたしが好きになっちゃいけない。


そんな当たり前のことに気付いたとき、また胸がズキズキした。


当たり前なのに。

なんでだろ…。泣いちゃいそうだよ……。



先輩は、あたしなんて好きになってはくれない。


そう思ってしまった。


「なんなの……」


初めてだ。

こんな胸のズキズキも、ドキドキも。


一緒にいて楽しいのに落ち着くのに、ちょっとした仕草に落ち着かなくなる。


会える時間が近づくごとに、嬉しくて浮き足立つ。


そして会えない日の朝は……目が覚めたときちょっと悲しいの。



すべてが味わったことのない、初めての感情だ。


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