さくら木一本道

そんなこんなで3人は場所を移し、居間で緑茶をすすり一息つく、

そして、冷静さを取り戻した鏡子が勇次に事情を話し始めた。



(鏡子)「私、気付いたの… さくらちゃんの服が2着しかないことに…」



(勇次)「それがどうかしたか?」



(鏡子)「さくらちゃんを見てみてよ勇ちゃん!! 体操服よ!? 昨日なんて制服よ!? おとといなんて体操服よ!?」



さくらの服は「北桜居高校の制服」と「北桜居高校のジャージ」の2着しかない、

まあ、当たり前の事だが、

さくらは学校帰りにこちらの世界へ放り込まれたのだ、むしろ、その日に体育の授業があり、ジャージを持っていたこと事態が奇跡なのである。



(鏡子)「華の10代…華の女子高生なのに可哀想過ぎるわ~…」



(勇次)「「華の10代」だか「華の女子高生」だかは知らねぇけど… 確かに衣服が2着しかないのは不便だな」



(鏡子)「その通り!! だから私は決めました!!」



鏡子はそう言っていきなり立ち上がり、斜め上を指差した。

龍巳と同様で、こういう行動を恥ずかしいと思わないのが不思議である。

それはさておき、鏡子は目を輝かせながら叫ぶのだ。



(鏡子)「今から私とさくらちゃんはショッピングに行きます!!」



(勇次)「……そうか、行ってこい」



‐ズズッ…‐



勇次は自分には関係ない話しだと思い、緑茶をすする。



(鏡子)「何言ってるの? 勇ちゃんも行くんだよ?」



‐ブゥッ!!‐



そして勇次は緑茶を吐いた。



(勇次)「何で!? 俺関係ないねぇじゃねぇか!!」



(鏡子)「レディの買った荷物は誰が運ぶと思ってるの!! そう、それは男の子の役目!! カモン勇ちゃん!!」



(勇次)「ふざけんな!! 俺は行かねぇぞ!! ゼッテェ行かねぇぞ!!」



勇次はそう叫んで立ち上がり、その場から逃げようとするが、



(鏡子)「さくらちゃん捕まえて!!」



(さくら)「イエッサー!!」



‐バッ!!‐


(さくら)「必殺延髄蹴り!!」


‐バキッ!!‐


(勇次)「がッ!!」



さくらに見事な延髄蹴りを決められ、



(さくら)「からの… 最強奥義卍固め!!」


‐ギチィィィ‐


(勇次)「いデデデデッ!!! ギブッ!! ギブッ!!」



そして見事な卍固めを決められた。

どうやら逃がしてくれる気はないらしい、

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