狂暴わんこのひとり占め。



****



―――帰りの電車。



「紗希?」


「……すー…すー…」


「寝ちゃった」



散々振り回され、疲れきった私は、灯夜にもたれかかって眠ってしまっていた。






「…だから無防備すぎだって」



――ちゅ…





私は、この時灯夜がおでこにキスしていたことを、知るはずもない。






< 26 / 42 >

この作品をシェア

pagetop