なんなん、あんた！！

バイトの面接

「迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。ありがとうございます。いぇ、ええ、ええ、はい。どうもありがとうございました。では、失礼いたします。」

あたしは電話をきって、テーブルにおいた。怒りがこみ上げてきて、手がわなわな震える。あまりの怒りにいてもたってもいられなくなったあたしは隣の部屋に怒鳴り込んだ。サンダルをひっかけるのもそこそこに、遠慮の"え"の字もなく度合いを開けてどかどか上がり込んだ。

「オラァ！カケル！！あんた、またなんか言っただろ！！」

部屋の主、カケルはそしらぬ顔でリビングのソファに座っていた。嫌そうな顔をしてこちらを向く。

「ナナ、遠慮っていうもの知らないの？男ん部屋に勝手に上がり込んじゃって、俺が裸だったらどうすんだよ。」
「んなん、知らんわ！」

あたしはリモコンを手にとってテレビを消した。

「あんた、またあたしの面接邪魔したでしょ？！」
「なんのこと～？あ、アイスコーヒーいる？」

カケルは立ち上がってキッチンへと向かう。あたしは怒りがピークに達してカケルの胸ぐらをつかんだ。

「だ～か～ら～！さっき、こないだ面接したバイト先から電話があって、あたし受からなかったんだよ！」