金木犀〜恋の香り〜
第2章:始まり

ただひたすら泣いてる南を、いつの間にか抱きしめていた。


何も言えないけど…これぐらいしか…出来ないから。


「ごめっ…大輔君には全然関係ないのに…」



「なに言ってんだよ。話してくれて、俺嬉しいよ?」

「優しいんだね…
あたし…あの時からもう二度と恋なんてしないって決めたの。もう辛い思いをしたくないから…」


"もう二度と恋なんてしない" …

同じだ…俺と。

初めて出会った時から、何か感じるものがあった。


"目"だ。

南は俺と同じ目をしてる。
< 22 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop