金木犀〜恋の香り〜

振り返る。
誰もいない。


さっきの声は?


チャリンコを止め、もう一度耳をすます。



「大輔?」瞬平は、不思議そうにこっちを見てる



「離せよ!!」

聞こえた声は、紛れも無い、アイツ。


周りを見渡す。
目線の先にある公園に目がいった。


そこには、女一人と男二人。
遠くてよく見えないけど、手首を捕まれてる…


俺は、自分でも気づかないくらい速く…
その場所へ向かっていた。


「大輔!??」
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