この涙が枯れるまで

…僕は学校帰り修学旅行でいるものを買いにいった。

歯ブラシと、新しいスエットと、ワックスとシャンプーとリンス。

あと何がいるっけ?

僕は本屋の前を通りすぎようとした。

でも何かを思い出したかのように、戻って本屋にはいった。


僕は詩集を探した。

ナナがよく読んでいるといった詩集を。


『えっとえっと…』


いろいろな詩集の数があって、どれが今日ナナが持っていた詩集か分からなかった。

確か題名は…

《涙溢れる詩集》

だった気がする。


『涙溢れる詩集…涙溢れる詩集………あった』


詩集コーナーの一番端に詩集はあった。

今日ナナが持っていた詩集。

僕はその詩集を手にとり、レジへ向かった。

そして家に着いたら、その詩集を読み始めた。


読み終わると、目には涙が溢れていた。


すごく感動した。

一番感動した詩は


『君の隣』

《僕の隣には君がいて
君の隣には僕がいる。
これが当たり前だと思っていた。
でも今の僕の隣には君がいなくて、今の僕の隣には誰もいない。
君は、どこに行ってしまったの?
僕は君を探したよ。
何日も何時間も。
でも君を探しだせなかった。
僕は何て愚かな人間なのだろう。
君を見付ける事が出来ないなんて。
あれだけ長い時間一緒にいたのに。
早く出てきてよ。
僕の隣は君しかだめなんだ。
君の隣は僕の一番の特等席なんだ。
僕はいつまでも君を探し続ける。
そして僕は君の隣から離れない 永遠に》




この詩を読んで考えた。

僕の隣は誰が必要だろう?

ナナ?

百合?

この答えを出すのはまだ先の事だった。





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