この涙が枯れるまで


『これで今日はおしまいです!!!さよ~なら!!』



いつの間にか、学校は終わっていた。



何も考えずにいた。
何も考えられなかった。

『…う…優!!』


『は?なっ何?』


『大丈夫かよ?先生呼んでたぞ!!』


『あっ…お~分かった…先生は?』



『職員室!!んじゃまた明日な!』


『お~じゃあな』


先生が僕を呼んでいた事なんて知らなかった。
何故先生は僕を呼んだのだろう?
僕は職員室に向かった。

―ガラガラ…


『失礼します…』



『あっ鈴木君こっち!!』



先生が手招きをする。
僕は先生の所に行った。でも僕の足は突然歩くのを止めた。
そこには、学級委員になった百合と園田が一緒に作業をしていたんだ。


『鈴木じゃん!!お前どうしたの?』


園田が僕に気付く。
百合も僕に気付く。
僕と百合は目が合った。

『鈴木君も先生に呼ばれたの?』




『は…?』



僕は小さくこう言った。息が詰まって言葉が出なかったんだ。
沈黙のまま、時が過ぎて行く。



『鈴木君?あなたバスケ部だったよね?』



『あっうん、でも行ってないよ?』



『何か中途半端になるから、続けるか辞めるか顧問の先生が言ってたのよ。斉藤君は辞めたけど、あなたはどうする?』



『辞める…』



『分かったわ、待ってて?』


先生は書類を取りに行った。
その間、どこからか視線を感じた。
僕は視線を感じる方を見る。

百合と目が合った。





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