この涙が枯れるまで



僕と和樹はクラス発表が張り出されている掲示板に向かった。


掲示板にはたくさんの人。

まともに掲示板が見れるはずはない。



『優~見えないや』


和樹は背が僕より小さい。

爪先を立てて頑張って見ようとしていた。



『俺がみてやるよ』


『悪いな!!』



僕は掲示板を見て、
自分の名前と和樹の名前を探す。



『あっ和樹あった』


『まじ?』



『でも俺とお前、違うクラスだわ』



『まじか~…』


がっくりと肩を落とす和樹。
僕はそんな和樹を見て微笑んだ。



『まぁいいじゃん?クラス行こうぜ?』



僕と和樹は人混みから抜け出した。


和樹と別れ、僕は新しいクラスに向かう。


目の前には1―2と書かれたプレート。


僕の新しいクラス。


一年間宜しく、と呟いて僕教室に入っていった。



クラスに入ると知らない人がたくさんいた。


僕の表情が一気に曇り出す。



僕は黒板に張り出されている座席表に目を移す。


僕の席は真ん中の列の前から4番目。


隣の人は小林百合という人。


僕はまだ気が付かなかったんだ。


少しだけ運命が動いたこと。



僕は席へと着いた。


後ろの人は外見からして、僕とは合わない人。



僕は若干焦りを感じた。


しばらくして、教室がだんだんとざわつき始めた。

僕は何気なく隣を見た。


そこには朝、一目惚れした彼女がいた。



この人が小林百合。



これが百合との出会い。




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