この涙が枯れるまで

僕が一番幸せだった日は、百合が生まれてきた日。
8月27日。
僕達の4ヶ月記念日。

そして僕達が初めてひとつになった日。
百合が幸せだって言ってくれた日。
百合と僕がひとつになった瞬間喜びの涙を流した日。
僕は君が愛しくてたまらなかった。

君が生まれてきてくれて本当に嬉しかった。


僕は君に会えて本当に良かったと思えたんだ。



僕はあの日、あの時、百合を離さないと決めたんだ。
僕が百合にプロポーズしたの覚えてる?
僕は君を必ず幸せにすると誓った。


百合…この言葉は君に届きましたか?



でもね、百合…


あの時、あの日から僕達の運命は決まっていたのかもしれない。

百合と一緒になれないかもしれないという運命。
僕達の後ろにすぐ、暗い闇が迫って来ていたんだ。



僕は百合の事を何も知らなかったね。


例えば指輪のサイズ。
少し大きかったかな。
ちゃんと聞いとけば良かったかな。


でも僕は君を驚かせたかった。


君に喜んでもらいたかった。
百合…あの指輪は今どこにありますか?


今大事にとってありますか?


百合…今左手の薬指に何がはめてありますか?


僕は百合の事を知らなすぎた。



まだこの時、百合は僕の指輪を大事にとってあるなんて知らなかったんだ。


指輪を見付けるのは、僕達が再会したとき。


そう、また僕が迷う時。





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