虹が架かるまで
菅野との談笑。



普遍的で平凡で
どの角度から見ても
“平和な時間”だ



こういう風に穏やかで生ぬるくて、不透明感に溢れた時間の流れが、僕は好きだ。



人生は普通であればあるほどいいのだ。



行く手を邪魔する障害や、その後を大きく左右する分かれ道にぶち当たることなく、

平坦で適度に快適な一本道を、ゆっくりゆっくり
一歩ずつ自分が好きなように歩んでいけたら・・・

これはきっと至高の幸福なのだ。



僕にはバスケットボールの才能がある。



その才能には非凡という言葉が、かちっとハマらないまでも、全く外れてはいないのかもしれない。



そのことが嫌だった。

才能などいらなかった。

バスケットボールは
好きだった。


なのに僕はこの才能を疎ましく
思っていたのだ。



でも、


“救われた”



彼女との出会いに、

彼女の存在に。
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