煙草とギターとキミ待ち。


声のした方向に、目を向ける。

小首を傾げ、あたしをジッと見る彼。緩くパーマがかかったミルクティー色の髪が、秋の澄んだ風に遊ばれ揺れる。


「何急いでんの?」


もう一度、さっきより幾分優しげな声で。彼はあたしに、そっと微笑んだ。

トクン。あたしの胸が、静かに高鳴った。トクントクン。


「どうしたの」

「なんで」

「ん?」

「なんでそんな事聞くの」

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