溺愛キング
「ん〜〜〜〜〜」

矢耶の声が聞こえてきたけど、それだけじゃぁ満足出来なくて、何度も角度を変えてキスしてやった。


「やっ…ん……ぁ……ぉ…………はなっ………し………ん―――…」


あ――――……
俺何やってんだ。

俺は拗ねてたんだよ、な?

矢耶なんか知らねぇとか言ったのに…

やっぱそんなこと無理だ。

けど、今さら、、、だよな。


顔を離して矢耶を見つめたまま、頭の中で自問自答を繰り返す。

矢耶は不安そうな顔で俺を見つめてくる。


『わかったから。そんなに謝んなくていいから。俺が悪いみたいだろ。』


どこまでも捻くれてる俺。

矢耶に構ってもらいたくて矢耶は俺だけを考えてほしくて、そんなことを言ってしまう。


「………ごめん………。」

『………………。』


泣きそうな顔をして、消えてしまいそうな声を出しながら矢耶は俯いた。

違う。

そんな顔させたかったわけじゃなくてただ構ってほしかっただけ。


ほんと、俺ないわ。

もう何がしたいのか分かんねぇ。



矢耶の腕を掴んで歩きだす。

このままじゃぁダメだろ。

幹部室に向かって歩く。

矢耶の鼻を啜る音が聞こえる。

早く、早く、部屋に行きたい。
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