溺愛キング
『どーゆうこと?』

「だからね、このバカ二人組はあたしらのショッピング中、面子の子達をずっとつかせてたわけよ」

『え』

「何だかんだ心配なのよ。ちゃんと口にしたらいいのに」


海亜はため息をはき、少し沈んだ表情だった。


『藍…』


藍が目の前にいるのにどうしても抱きつけない。

恋しいのに、こんなにも藍を想ってる。


「矢耶」


藍に名前を呼ばれた。

嬉しいのに、素直になれない。


「悪かった」


藍が悪いんじゃない。

分かってる。

矢耶のわがままだってことは…


「悔しかったんだよ。俺だけみたいで」

『?』

「我慢って言っても、矢耶は平気なのかって」

『…………』

「けど、結局はこうして来てしまう。どんなに頑張っても俺には無理だ」

『っ!』

「面子達に後をつけさせないと安心できねぇし、こんな店に入んな」

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