SiMPLe な 気持ち
いち

プロローグ




我が下柳家には、家訓たるものがある。
それは全て母さんの失敗談から生まれた項目。



「ピラフはレシピ本をしっかり読んでから作る」



という男の僕に関係の無いものから、シュールな



「目には腹を、歯には爪を」


とか言う恐ろしいどっかの法典をもじったものまで。


(何だってこれは母さんが高校生の時遭ったいじめの仕返しらしく、砂で目潰しされたときに腹パンして、歯が折れるまで殴られたとき爪を剥がしたと言う恐怖の…)



何でも僕たち姉弟が特にしっかり守らなければならない、



「一生愛せると確信するまで悩みに悩んで悩みまくってプロポーズする、受ける」


と言うもの。



(母はあっさりOK主義の為、4人の男と離婚…)



そしてついに、僕はそんな彼女を見つけたんだ。
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