約束

龍司の言葉に俺は恥ずかしくなり

「龍司！お前はいつまで俺を子供扱いするんだよ！」

思わず叫んでいたが直ぐににっこりと微笑みられ

「しょうがないだろ？お前は変わらず可愛いんだからさ。」

頭を撫でて龍司は言った。そんな俺たちに和也たちは何も言えなくなっていた。そして、ゆっくりとキッチンへと向かう龍司を確認した瞬間俺は、２人に挟まれてしまった。

「なぁ、皐。もしかして龍司って小さい頃からああなのか？」
「…ああ。」

溜め息をついて答えると

「…あそこまで好かれてると皐も大変だな…」

同情した目で俺を見て和也が言った。俺は、苦笑いするしかなかった。

「ほらっ、お前ら話しはやめて本題入ろうぜ？」

キッチンから戻ってきた龍司がそう言って俺の隣に座り直した。

「…ああ…進路ね…」
「陽介、そんな嫌そうにするなよ。」
「だってさ…全然、決まらないんだぜ？特に行きたい高校なんてないしさ。」

お菓子をつまみ陽介が言うと

「確かにな。これと言ってないよな。」

龍司が返す。そんな２人の前に和也は鞄から何冊ものパンフレットと力強く置いた。

「…和也…これは？」
「見ての通り高校の案内書。」
「「「……」」」

パンフレットの数に俺たちは絶句した。

「こんなにあるのか？」
「ああ…。俺の母親が片っ端から持ってきたんだと…俺と陽介の為にって…」

小さく溜め息をついて和也が言い俺たちはそれぞれパンフレットを手に取り見てみることにした。