とらいあんぐる
期間限定
 


「えー、やだ。」

「そんな事言わないでさ!お願い!」

三神唯、中3。
いきなり幼なじみが家におしかけて来て、突然こう言った。


『俺の彼女のふりして』


そして冒頭に戻る。
は?なんだとこんちくしょー。
そう思った。
幼なじみ、岡本達希が言うには…

「俺、最近モテ期突入しちゃってさ〜。本当、毎日毎日可愛い女の子に告白されて困ってるんだよね!はっはっは!でさー、一々断るのは何か気が引けるっていうかー」

「断るの面倒なだけでしょ」

「げっ!…何でわかったの?」

「達希の考えてる事くらいわかるから」

昔からいつもこうだ。面倒な事があるとすぐ私を頼る。

「なぁ、駄目?」

「そのきっしょい上目使い止めてくれたら考える」

「!?わかった!」

「馬鹿。そんなんで私が言うこと聞くと思う?」

本当馬鹿。正直もう面倒くさい。

「…なんで私なの」

「えっと、何て言うか…こんなこと頼めるの唯くらい、かな?」

「なんで疑問形なの」

こういう事頼まれる子って大体少しくらいは『きゅん』ってするのが普通なのかもしれないけど、私は『イラっ』とくるのよ。今だって眉間にシワ寄ってるし。イラっとくる理由がよくわからないけど、なんか嫌。

「あの…唯?」

「条件がある。」

「な、何!!?」

「期間は卒業までの三ヶ月。終わったら私に何か奢りなさい」

「奢るだけでいいの?」

「今回だけね。次からはブランドの服でも何でも買ってもらうから。」

ニヒルな笑みを浮かべてそう言うと、達希は無垢な笑みを浮かべて

「うん!ありがとう!」

そう言った。


 

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