君との世界。[短編38P][企画]
「ミュー!?」



俺は叫んだ。



「りゅう……ちゃん」



掠れた声が聞こえる。


風に乗って聞こえる。


誰もいないけど、ちゃんと聞こえた!!



「ミュー!! お前、どこに居るんだよ!! パラレルワールドか!?」



俺はどこかに向って叫んだ。



「そこじゃ、ない世界……」



近くで聞こえるのに、ミューの姿が見えない。


「ミュー、帰ってこいよ!」

俺は必死に叫ぶ。




「帰れない……。戻れないの……」



ミューの苦しげな声が聞こえる。



「私、馬鹿だよね……。

そんな都合いいパラレルワールドに行けるなんて限らないのに……」



どういうことだ?

とんでもないパラレルワールドに行ってしまったのか?



俺がそう聞こうとしたとき、イキナリけたたましい音が鳴り響いた。

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