出来ちゃった恋愛
なんの時間なのかも、意味がわからなかった。



床に置いてた同意書を内ポケットに閉まったサキは、あたしを見下ろしてる…。



その顔はいつものサキじゃないみたいで…。



「時間って…?」

「俺にも決める権利はある。だから少し待ってほしい」

「だからなにを!?」

「産むか、産まないか。どっちにしたって負担はユズだけどな…」



産むか産まないか?



なに言ってるのサキ…。



「あたしは産めないってば!!」

「そうじゃねぇ。俺達がしようとしてんのは、産めないんじゃない。産まないんだ」



『産めない』じゃなく『産まない』…。



サキの言葉はあたしに追い撃ちをかけるように胸に刺さった。



あたしがしてたのは…。



正当化?



「でも気持ちもないのに結婚するなんてありえないでしょ!?」

「そんときは気持ちなんか後付けでいい!!ユズってよく見ると美人だし?」

「呆れた…。同意書返してよ」

「3日だけ待て。頼む!!」



こうしてあたし達の物語りは始まった。



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