生きたがりの青年と死にたがりの少年

彼女は目を泳がせ、焦りを紛らすためか、何度も耳に髪をかける動作を見せた

―俺、伊丹 将吾。高校3年生なんだ。君は?

「同い年ね。アタシ、大河 友梨(おおかわ ゆり)。男子からは、カワユリって呼ばれてるから、そう呼んで。」

同い年という事を知ったからか、先ほどのような素振りを見せず、明るく自己紹介した

―カワユリだな。俺はショウって呼んで。

顔を見合わせて会釈した

カワユリは、えくぼを見せた

< 21 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop