生きたがりの青年と死にたがりの少年

「はい。僕は生死をさ迷っているとき、“生死の狭間”という空間にいました。いや、そこで生死の判定を待っていたんです。」

母親は口を開けて、不思議そうな表情で俺を見つめていた。

「そこには、自分と同じ状況である人たちが訪れ、同じように判定を待っているんです。僕は、そこで色んな人たちに出会いました。」

次の言葉が少し喉で詰まる。

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