恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*

「女の子って結局、強引な男らしい人が好きなんだって。

都築くんがモテるハズだよね」


沢村が俺の発言をどう取ったのかは知らねーけど。


「それに、意外と気使ってくれるし優しいし」


……多分、同情から出た言葉としてでも取ったんだろーけど。


沢村は、俺の言葉の真意なんか気付かないまま笑う。


でも、俺も自分の気持ちがよく分かんねーから。

沢村の笑顔に、同じように笑って返す。



『キライじゃねーよ。……沢村みたいなヤツ』


思考回路がどっかで遮断されたみたいに、考える暇もなく口をついた言葉。

それが、何を意味するのか。


「コピーしてくる」

「うん。お願いします」


笑顔の沢村に背中を向けて、教室を出る。



いつの間にか動き出していた自分の気持ちに、気付かない振りをして。