恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
◇本能の選ぶ道

┗尚哉SIDE




【尚哉SIDE】



「俺が代わりに言ってやろーか?」


3年の教室に続く階段。

一歩一歩上がってる沢村の横顔が、あまりに緊張してるから言うと、俺を見上げた沢村が申し訳なさそうに笑う。


「ごめんね、付き合せて……」

「俺が勝手に付き合ってるだけだろ」

「けど……、あたしみたいに面倒くさいのを好きにならなければ、都築くん、もっといい恋愛できたのに」


緊張からか、かなり弱気になってる沢村がうつむきがちに言う。


いつもらしくない発言で、今こいつがどれだけ気持ちの中で葛藤してるかが分かった。

そんな沢村を見つめた後、小さくため息をついた。




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