恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
◇チーム

┗尚哉SIDE



【尚哉SIDE】


生徒会室を足早に出て、2階渡り廊下の壁に背中を預ける。

下校時間を1時間過ぎた校舎は静かで、人の気配はほとんどなかった。


窓の外を見ると、ちょうど第一体育館が見えた。

開けっ放しの窓から、シューズの摩擦音だとか、ドリブルの音がわずかに聞こえてくる。


中途半端に終わりにした、中学のバスケ部を思い出させる耳障りな音。


軽くため息をつきながら、それでも体育館を眺めていた時。

本宮が歩いてきた。


俺に気付いた本宮は、にこっと笑う。

そして、俺の前まで来て足を止めた。


「1年間、頼むな。尚哉」


中学ん時から変わらない声。

本宮の声で名前を呼ばれると、イヤでもバスケの事が頭に浮かぶ。



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