恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


「唯は……、まぁ、ちょっと違うけど」

「つーか、あいつ、おまえの事好きなんだろ? 

今日の昼休み、話してるとこ見たけど、おまえの事が好きだってバレバレな態度とってたし。

珍しいじゃん。おまえ、自分に好意ありそうって分かった時点で距離置くのに」

「……よく知ってるな」


そう呟いて苦笑いした後、本宮が言う。


「唯が好意を持ってくれてるのは、知ってる。

でも、唯は俺が気持ちに応えられないのも知ってるんだ。

それでも、“迷惑かけないから”って」


本宮は、開いてる窓から外を眺めながら続ける。


「最後には頭まで下げようとするから……、断われなくてさ」

「……押し切られた感じだな」

「でも、唯は本当にいい子だよ。

真っ直ぐで素直で……、約束も健気に守ってるし。

だから、余計に。可愛いと思う度に、罪悪感で押しつぶされそうになる」



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