恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


憧れてる女の子の数を数えたら、2クラスできちゃうんじゃないのかなってくらい。


それも無理ないけど。


某アイドル事務所のタレントっていうよりは、俳優とかそっち系の美形。

黒いサラサラの髪もよく似合ってるし、なにより優しい。

まさに正統派って感じ。



“誰とも付き合わないらしいよ”

そんな噂が、余計に恋の炎をメラメラと燃やすのかも。


ただでさえ、女の子が好きな人を想う気持ちはハンパないのに。


「……よし。行くか」


泣き出しそうな女の子が立ち去ったのを確認してから、気合いを入れて笑顔を作る。


元気な女の子はキライじゃないって、本宮先輩、言ってたし。

なにより、“困らせないから傍にいさせて”ってお願いしたのはあたしなんだから。


それを許可してもらったのに、暗い顔なんかできない。



< 4 / 448 >

この作品をシェア

pagetop