恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
憧れてる女の子の数を数えたら、2クラスできちゃうんじゃないのかなってくらい。
それも無理ないけど。
某アイドル事務所のタレントっていうよりは、俳優とかそっち系の美形。
黒いサラサラの髪もよく似合ってるし、なにより優しい。
まさに正統派って感じ。
“誰とも付き合わないらしいよ”
そんな噂が、余計に恋の炎をメラメラと燃やすのかも。
ただでさえ、女の子が好きな人を想う気持ちはハンパないのに。
「……よし。行くか」
泣き出しそうな女の子が立ち去ったのを確認してから、気合いを入れて笑顔を作る。
元気な女の子はキライじゃないって、本宮先輩、言ってたし。
なにより、“困らせないから傍にいさせて”ってお願いしたのはあたしなんだから。
それを許可してもらったのに、暗い顔なんかできない。