恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


都築くんは、「多分、裏で金とか回してたんだろうけど」と、小さな声で呟く。

落ち着いてる口調だったけど、怒ってるように聞こえた。


すごく、悲しそうにも聞こえた。


「結局、本宮と彩香はそれっきり。

本宮は自分を責めて……、ボロボロになって、バスケも辞めた」


それを聞いて、こないだの事を思い出す。


バスケの話をした時、先輩は、

『俺はもうバスケできないんだ。

……中3の夏前にケガしてからは、一度もボールに触ってない』

って、そう言ってた。


先輩がバスケをできないのは……、ケガをしたからじゃなかったんだ。


「彩香はなんでだか分かんねーけど、学校を辞めてから一度も連絡してこなかった。

だから余計に、本宮からは連絡しづらいんだろ。

連絡してこないって事が、彩香の気持ちを代弁してるって思ってるんだと思う」





< 58 / 448 >

この作品をシェア

pagetop