ひとかけらの恋
「…うん。」


私は下に行き、玄関を開ける。



「あっ…。」



いきなり扉を開けたから菜月ちゃんは少し驚いてしまった。



「どうぞ。中に入って。」



「はい。お邪魔します。」



私と菜月ちゃんは、ゆっくりと2階に上がる。



「ゆっくりして行ってね。」



私は紗季の部屋の前まで行くと、そのまま1階に降りた。



…2人だけの方がいいかな?



ガチャッ…。



私は静かに家を出た。


ハァ…。



…あ。そういえばため息つくと幸せ逃げるんだったっけ…?



ミーン。ミンミンミーン。



蝉の鳴き声が道にある木から聞こえてくる。

夏とはいえ、夕方になってくると、吹いてくる風が涼しく感じる。

私は海の見える橋の所まできた。


今、まさに夕日が沈もうとしていた。






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