近距離リアル
私の片思い!?
「あ~・・・もう卒業かあ・・・」
私、上川奈々は中学校を見ながらしみじみ思った。
今日は中学の卒業式。
「なぁなっ♪最後に校舎見てまわろ!」
親友のあゆがそう言ったから、私は卒業式が終わった後、学校を回ってみることにした。

「あ~なつかし・・・」
「そうそう!なぁなはいつもここで怒られてたね!」
「は~!!?」
私は、顔も成績も中。
身長だけかな、普通の子よりも少しだけ大きい。
す・こ・し・だ・け!!
「なぁな大きいねぇ~、何センチだっけ?」
あゆがタイミングぴったりに聞いてきた。
う・・・。
「・・・・・・ひゃくななじゅうぅ・・・」
・・・そう。
ぶっちゃけちゃうと、ふつうよりかなりでかい。
だから、背の順とかいっつも一番後ろ。
男子を見下ろす始末。
「・・・あゆはいいよ、ちっこくてかわいくてさぁーー」
「あっ!それ言っちゃう?気にしてるんだけ~ど~?」
私だっておおきいこときにしてるっつーの!
あゆは、身長152センチで顔も女の子っぽい。
おまけに頭もいい。優しい。
だから、当たり前のように彼氏がいる。
「・・・ふんだ」
「何いきなり?」
「いーえっ、なぁんでも~~~~!!」
私には、・・・彼氏がいない。
しかも、生まれてからこれまで。
「だぁあああ~~~~!!!彼氏ほしいぃいいいいぃいいぃいいぃ!!」
「耳痛ッ!!?」
耳を押さえてうずくまるあゆをよそに、私はぐるぐると回った。
・・・ドンッ!!!
「きゃぁ!」
私の持っていたカバンが吹っ飛んで誰かに当たった。
「・・・お前ら、なんでこんなところに・・・卒業式は終わったぞ」
げ~~~~~っっっ!!!神崎先生!!!
神崎先生は、私たちの担任だった人だ。
とにかくとにかくと・に・か・く!!愛想が悪い。
「う・・・ご、ごめんなさぁいぃぃいぃいいぃい・・・」
睨まれてる睨まれてる~・・・。
「校舎に入ってくるのは自由だが、もっと落ち着いた行動をしてほしいもんだな。元最上級生として?」
う~~~~~~~~~~~わ~~~~~~~むっかつく!
すいませんでしたってば、謝ってんじゃんか!!!
だけど、そんなこと口には出せず…
「・・・はい。すいませんでした」
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