座敷わらしの恋
17.誰かと見るはずだった花火
「あれあれ、悠じゃん」
ようやくりんご飴を買い終えたところで、聞き覚えのある声がかかる。
振り向くと、そこにはキリ姉がいた。
「げ、キリ姉」
「げって何よ、ご挨拶じゃない。
ていうか、なに。結局来てるんじゃん。一人?」
「いや一人じゃ……」
言いかけて、あれ、と思う。
誰かと来てたはずなんだけど。
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