勝手に好きです!

「…まなつぅ、あんたってば本当分かりやすいよねぇ」


ポスッと乾いた音がして私の前に今日の課題が配られる。上げた視線の先には淡い栗色の髪。形良い広い額にどことなく色気のあるその声の相手は10年来の親友の美紘(みひろ)ちゃんだ。


「うへへ、美紘ちゃんてば今日もグレイトに可愛いね」


私のニヤケた笑みに美紘ちゃんは「うぜぇ」と言ってすぐ後に「当たり前よ」と少し吊り上がった綺麗な瞳を細めて鼻をならした。んー、その動作がパーフェクトに女王様!うんうん。


「で?今日もなんでしょ?」

「うひ!?なんで分かるの!?美紘ちゃんてばエスパー!?」

「あんたのその態度で気付かなきゃあたしは自分の名前も忘れてるわよ」

「えっ!?美紘ちゃん大丈夫?美紘ちゃんがちょっとボケちゃって可愛いおばあちゃんになっても、ずっと友達だよ!」

「…うぜぇ」


……いいね!その冷視線!



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