チャンピオン【完】

打ち上げの居酒屋には夕飯代わりだからと無理やり連れてこられたものの、全然面白くない。

一郎兄貴が見張っていてお酒は飲ませて貰えないし、ガチムチ兄貴団体の中、女子高生一人はどうしたって浮いている。

私までプロレス関係者だと思われたらどうしてくれるんだと!!




... 私、今日試合出た。

もう関係者なのでした。死にたい。


「詩さん、何か頼みましょうか。女子高生はなにがよろしいのでしょう? 明太モチチーズピザとかでしょうか」

「あんた、結構良い趣味してるじゃない。でも私、子持ちししゃもで」

「褒められた! やった!」

練習生くん気を使ってくれて可哀想だし、もうこの空間嫌だよ... 。



ジョニーがマイクを持ち、謎のショータイムが始まった。

いきなり数人の兄貴が服を脱ぎだしたと思ったら、腕相撲大会らしい。

ああ、嫌だ。こいつらショータイムまでマッスルだ。




盛り上がっているうちに帰っちゃおう。

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