灰色の羽
すく、と立ち上がったと思うと私の座っているソファーの所までとてとて、と小走りで来て私のスカートをぎゅっと握った。



いままでになかったあまりにも闊達な動き、なんとも年相応の所作に私は、



「え、え?なに?どうしたのよ」



と、柄にもなく狼狽してしまった。



「………」



もちろん相も変わらずのデフォルト無表情で、液体ヘリウムのような瞳が私を見つめる。



「…なに?」



あたしはエスパーじゃないしあんたの思ってることなんてわかんないわよ。


すると、私に向けていた視線を下ろし顔を俯かせた。



あー、会話出来ないってつらい。



私は意思伝達手段が言語だけに限定されている人間の能力の低さに失望した。
イルカなんかは超音波でそれをするって言うし、人間だって言語以外の方法を発達させてもよかったんじゃないのか、などと余計な事を考えていた所、視野の端でミイが動くのを捉えた。



「…ん?」



なにやら下腹部あたりをおさえ足をもじもじと摺り合わせている。
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