いばら姫と王子様 ~AfterDays~
 
そう、さっき決まったんだ。


長年慣れ親しんだ場所に――。


それは俺のペンダントと繋がる双子石となり、更なる深い繋がりをもたらすように。


「ネックレス…か。何だか格好いいな。俺もなんかつけようかな……」


煌が腕を組んで考え込んだ。



なあ芹霞。


お前は女々しいって笑うか?


それでも俺は、お前の痕跡を少しでも感じていたいんだ。



俺だけが触れ、俺だけが感じえるお前の感触を、


お前だけが触れ、お前だけが俺の感触を感じてくれ。



いつまでも俺達は永遠…以上なんだろ?


俺を求めろよ。


いつでも俺を感じていろよ。


俺の鼓動を、お前を求める衝動を、身体全体で感じていろよ。


俺は繋がりを断ち切らせない。


お前が拒もうとも、俺はお前を離さない。


それだけの長く濃い時を、俺達は共有してきたのだから。


それだけは誰にも手出しできない領域。


俺だけにしか持ち得ない、唯一の強み。


ただそれだけの――


儚くとも強い俺の強み――。


8年前の面影を消したい俺が、唯一縋れる8年前の強み。


今はそれに縋りつく。


たとえそれが不本意なことでも――。


―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―


「なあ、全て失ったその先に……お前だけが残るのなら、俺はそれでも構わない。お前さえ俺の傍にいてくれるのなら……」





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