桜空

しばらくして朝御飯の支度ができ、食事を済ませ城に戻ることになった



「なぁ、桜はこれからどこに行くんだ?」



空が尋ねてくる。
私の行き先は1つ。



「城に行くのよ。ちょっと殿方に用事があってね」



口実にするために自分の父親を使った。



「城か…けっこう歩くな。よし、俺が馬で送ってやるよ。いいだろ?」



「えっ」



それはちょっと……
もし空が私を城に送ったことがバレたりしたら空が危険な目に合う。
私が…姫だから…



もし私が将軍家の人間じゃなかったら…
姫じゃなかったら…
普通に送ってもらったりもできたんだろうな…



私はそんなことを考えてしまって仕方なかった。
< 14 / 211 >

この作品をシェア

pagetop