甘くも苦い誘惑に溺れて
私は携帯電話をマナーモードに切り替えて鞄の中へとしまう。
何の用事かは大体予想付くから今日でなくてもまた出ればいいか…。
恐らくマンションの話しに決まってる。
加害者の両親はマンションの管理人をしているらしくて、最上階の部屋を私に譲ると言う話。
あの話しは断ったのに向こうは慰謝料だけじゃなく私の世話もしたいみたい。
私もそこまで面倒見てもらう程落ちこぼれちゃいないんだけど…。
余計虚しくなるだけだから本当にやめて欲しい…。