甘くも苦い誘惑に溺れて


―――♪~♪~♪―――




ちょうど実家に着いて車庫に車を停めてすぐ、プライベート用の携帯が鳴り響く。




「今日は朝から鳴りっぱなしね…はい…」


『やっと出てくれた。優菜…今から会えないかな?』




電話の相手は拓也からだった。



拓也は私の婚約者でお通夜の時も告別式もずっと…私の傍に居てくれた人。



亡くなった直後の家族の身元確認をした時だって、何も言わず傍に居てくれた大切な人。



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