とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~

“学園七不思議”




明け方目が覚めた。
昨日の事がいつかみた夢と似ていて、少し不安になった。

腕の重みでそれが現実だった事にホッとする。


スヤスヤ眠る無防備な忍に頬が緩んだ。


可愛いなぁ…


愛おしさが増してぎゅっと自分の腕に閉じ込めると再び目を閉じた。


次に目を覚ました時はカーテンの隙間から日の光が差し込んでいて、時計の針は6時を指していた。


しばらく忍の寝顔を眺めていると睫が微かに動いた。


「…起きた?」

「ん…おはよ…」

「おはよ」


まだ眠そうな忍の額にキスをするとくすぐったそうに笑った。


「まだ眠いだろ?寝てていいよ。」

「ん~…じゃあ後少し…」


ボソッとそう言う忍に微笑んで俺は静かに布団を出ると短パンを履いて部屋を出た。


階段を下りると道着に身を包んだ師範と鉢合わせた。


「おはよ~師範…」

「起きたか。忍が見当たらんがおるのか?」

「ん…俺の部屋で寝てる…」


と口走ってすぐに“しまった!”と思った時にはもの凄い殺気を感じた。


「貴様…よくもぬけぬけと…」

「いや…ちょっと…落ちついて師範…」

「今日こそ息の根を止めてやるわい!」

「師範、それ犯罪だから!」

「やかましい!!」


師範が壁に立てかけてあった木刀を掴むと俺に向かって振り上げた。


やっばぁ…


かなり本気の師範に俺は血の気が引いた。



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