【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
ヤスの歌声は、私観点だと、もう泣いていない、と思う。



歌自体も今までは切ないものが多かったけれど、月野森きららとして初めて、アルバムに力強い曲や激しい曲が加わった。



白黒、両方の盤が入った二枚組のアルバムは、これまでの月野森きららの活動を覆す程の仕上がりだ。



これまできららを聴いていなかった者までもを引き込んでしまうアルバムとなった。



当の本人、『月野森きらら』は今日も自分の曲をiPhoneで鳴らすクラスメイトに見向きもせずに参考書を開いている。



私はそんなヤスの涼しい顔を見て、なんだか笑いが込み上げて来たが、それを必死に堪えた。
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