【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
アンコールも終わり、幕張メッセからは人が減っていく。
「あーサイコー!」
香織はしっとり汗をかいた額をタオルで拭きながら、満足そうに背伸びをした。
「飛鳥、今から木酪君のこと、待つの?」
「んーん。そのまま帰る。」
きっと、これからヤスはまだ忙しいと思うし、会えないだろう。
なんて思いながら、すっかり温くなったペットボトルの水を口に含む。
そのまま喉に水を滑り込ませていると、私の後頭部は、むんず、と掴まれた。