【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
まあそんな悪魔野郎だけど、さ。



「ヤス。」



「ん?」



私が呼ぶと、綺麗な顔が少しだけ、柔らかく崩れる。崩れても綺麗だけど。



「悔しいけどあんたのこと好きだから、あんたに不要だって言われるまで、光り続けてやるよ。」



その綺麗な頬にに初めて自分から寄り、恥ずかしいけど、唇を落とす。



一瞬驚いた顔をしたヤスに、なんだか勝った気持ちになった。



だけど、その顔はすぐにニタリ、と美しく微笑む。
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