【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
結局無理矢理香織に引っ張られ、カラオケボックスの一番大きい部屋に連れ込まれる。



多分、クラスメイトの誰かが貸し切ったのだろう。金持ちのすることだ。



「やほーう!」



「お!香織ちゃん来たねー!…と、花巻さんも。」



ほら、予想通り。引き攣った男子の顔が笑える。



そんなに私が来ちゃ悪いか。邪魔はしないっつうの。



とは言えず、私は俯いて一番端っこに座った。



見渡すと、本当にクラスのお坊ちゃまお嬢様ばっかり。



……と思っていたけど、私と同じ、いや、それ以下の人間がいる。
< 8 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop